展示
展示答礼人形「ミス山形」特別公開
答礼人形「ミス山形」特別公開
展示期間:2025年9月9日(火)~10月19日(日)
展示場所:横浜人形の家 2階常設展示室内
昭和2(1927)年、アメリカの子どもたちから日本の子どもたちへ人形が贈られました。友情人形、通称「青い目の人形」と呼ばれています。そのお礼としてアメリカへ贈られたのが「答礼人形」です。身長が約80㎝の特注で作られた人形で、当代一流の人形師が制作にあたりました。
「答礼人形」は日本や東京府、各県の代表として作られ、58体がアメリカへ渡り全米の都市を巡回訪問したのち、美術館や博物館に収蔵されました。現在、そのうちの47体の現存が確認されています。
戦禍を乗り越え現在に伝わった「答礼人形」ですが、気温や湿度の変化がダメージとなり、経年劣化も進んでいます。昭和2年の答礼人形制作でも大きな役割を果たした株式会社吉德や人形交流に心を寄せる人々を中心に人形の里帰りと修復なども行われ、人形交流の物語を伝えるとともに新たな交流のきっかけとなっています。
今回、その内の一体「ミス山形」が吉德で修復するために里帰りしています。御所蔵者と吉德のご厚意により、修復を終えた「ミス山形」を帰国前にお借りして当館にて特別展示いたします。「ミス山形」の公開は致道博物館(山形県鶴岡市)に続いて2例目であり、貴重な機会となります。
昭和2年に始まった「日米親善人形交流」はもうすぐ100年を迎えようとしています。物言わぬ人形たちが語る物語は形を変えて続いています。
答礼人形「ミス山形」(個人蔵)